[アップデート] Amazon DocumentDBのストレージ設定でI/O-Optimizedが追加されました
こんにちは。サービス開発室の武田です。
Amazon DocumentDB使っていますか?私は残念ながら使っていません。DocumentDBはMongDB互換の、フルマネージドなドキュメントデータベースです。
さてそのDocumentDBに、今回新しくストレージ設定という設定項目が増えました。Standard
とI/O-Optimized
がサポートされ、従来のものはStandard
です。
StandardとI/O-Optimizedの比較
I/O-Optimized
はI/Oヘビーなアプリケーション向けの新しいオプションで、パフォーマンス、スループットの向上、低レイテンシーといった効果が期待されます。
さてこの2つのオプションは料金体系が異なります。具体的にはインスタンスの料金、ストレージの料金、I/Oにかかる料金が異なります。例としてインスタンスクラスはdb.r6g.large
として、表にまとめました(東京リージョンのオンデマンド料金です)。
db.r6g.largeの料金(1時間) | ストレージの料金(1GB/month) | I/Oの料金(100万リクエスト) | |
---|---|---|---|
Standard | $0.317 | $0.12 | $0.24 |
I/O-Optimized | $0.349 | $0.36 | - |
I/O-Optimized
は、インスタンスとストレージの料金が上がっている代わりに、I/Oの料金がかかりません(インスタンスとストレージ料金に含まれているというのが正しいです)。そのため性能向上とは別の視点として、I/Oリクエストが多いワークロードでは、I/O-Optimized
にすることで料金を抑えられる可能性があります。
試算してみる
次の条件でそれぞれの料金を試算してみます。
パターン1
- 東京リージョン、オンデマンド料金
- インスタンスクラス:db.r6g.large
- インスタンス2台のクラスター構成
- 50GBのストレージ
- 月 2億(200,000,000)回 のI/Oリクエスト
- 1ヵ月は30.5日
まずはStandard
の場合です。
- クラスターの料金は
0.317 * 24 * 30.5 * 2 = 464.088
- ストレージ料金は
0.12 * 50 = 6
- I/Oリクエスト料金は
0.24 * 200 = 48
- 月の料金はこれらの合計ですので、
464.088 + 6 + 48 = 518.088
続いてI/O-Optimized
の場合です。
- クラスターの料金は
0.349 * 24 * 30.5 * 2 = 510.936
- ストレージ料金は
0.36 * 50 = 18
- I/Oリクエスト料金はなし
- 月の料金はこれらの合計ですので、
510.936 + 18 = 528.936
I/O-Optimized
の方がやや割高という結果になりました。
パターン2
- 東京リージョン、オンデマンド料金
- インスタンスクラス:db.r6g.large
- インスタンス2台のクラスター構成
- 50GBのストレージ
- 月 10億(1,000,000,000)回 のI/Oリクエスト
- 1ヵ月は30.5日
違いはI/Oリクエスト回数だけです。
まずはStandard
の場合です。
- クラスターの料金は
0.317 * 24 * 30.5 * 2 = 464.088
- ストレージ料金は
0.12 * 50 = 6
- I/Oリクエスト料金は
0.24 * 1000 = 240
- 月の料金はこれらの合計ですので、
464.088 + 6 + 240 = 710.088
続いてI/O-Optimized
の場合です(実はパターン1と同じです)。
- クラスターの料金は
0.349 * 24 * 30.5 * 2 = 510.936
- ストレージ料金は
0.36 * 50 = 18
- I/Oリクエスト料金はなし
- 月の料金はこれらの合計ですので、
510.936 + 18 = 528.936
先ほどと異なり、I/O-Optimized
の方が 25.5%程度 安くなっています。このように、I/O-Optimized
はI/Oリクエストが増えるほどよりお得になります。
まとめ
DocumentDBにストレージ設定の項目が新しく追加されました。パフォーマンス以外に料金面でも違いがあるため、すでにご利用の方は、切り替えた際にどの程度金額が変わるのかは確かめてみてください。
なお、既存環境でもストレージ設定の変更は可能ですが、 30日ごと にしか変更できませんので注意してください。